おしらせ

日本の郷土ごはん vol.7『宮城:しそ巻き』フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第7弾は宮城県です。
心地よい秋晴れに恵まれたこの日、たくさん遊んでおなかをすかせてきたこどもたちと一緒に、宮城県の郷土料理「しそ巻き」「茄子炒り」「きしゃず炒り」を作りました。

ごはんが進みそうな野菜たっぷりのおかず3品。切ったり、包んだり、炒めたり、揚げたり。いろんな工程が待っています。でもその前に、今日のお料理についてちょっぴり学んでおきましょう。

カラッと揚がった鮮やかな緑色がきれいな「しそ巻き」。その始まりは、戦国大名・伊達政宗。鳴子温泉に訪れる湯治客のために作らせたという一説があるそうです。青じその中に入っているのは、味噌に砂糖やごま、くるみなどを入れて練ったものですが、かつてこの地で「仙台味噌」の製造を奨励したのも伊達政宗。しそ巻きは、「東北の雄」として名を馳せた政宗公ゆかりの郷土料理なのですね。

「茄子炒り」は、茄子を皮ごと細切りにして油麩と一緒に醤油で炒めたシンプルなおいしさ。宮城では常備菜としておなじみで、家庭や地域によって砂糖やみりん、味噌を加えたり、みょうが、しそ、くるみを一緒に炒めたりもするそうです。

「きしゃず炒り」のきしゃずは、おからの別称。「きらず」とも呼ばれます。人参、ごぼう、干し椎茸などと一緒に炒り煮して、ほっこりおいしく作りましょう。

まずは二手にわかれ、小さい子は茄子を切る作業、大きい子たちはきしゃず炒りの材料を炒めていきます。お母さんやボランティアさんに見守ってもらいながら、初めての包丁使いを一所懸命に進める子、手慣れた様子でどんどん炒める子。年齢や経験もさまざまなこども食堂なので、ひとりひとりのペースで無理なくゆっくり、楽しみながら進めていきます。

続いての工程は、全員そろって行う本日のメインイベント。たくさんの青じそに、濃厚なくるみ味噌を入れてくるくる巻いたら楊枝に刺していきます。

鮮やかな緑がとってもきれい! みんなどんどん順調に巻いていき、あっという間に出来上がりました。「もっと巻きたい」という声もちらほら(笑)。「このまま食べてもおいしそう」という声があがるほど、なんともきれいでおいしそうなしそ巻きです。

あとは、茄子と油麩を合わせて炒め、おいしく味付け。これは小さな子たちが担当しました。そして、大きい子たちはたった今巻き終えたしそ巻きを油で揚げていきます。油がはねないように、慎重にね。揚げていると、しそのいい香りが立ちのぼり、「早く食べたい!」とみんなワクワクです。

ちょうどかまどのご飯も炊きあがりましたよ。たっぷりよそって、みんな元気に「いただきます!」
優しい味わいの宮城の郷土料理をおいしく堪能しました。

“みんなでつくって、みんなで食べる”
今月も「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/10/21|景丘の家・こども食堂

日本の郷土ごはん vol.6『鹿児島:鶏飯』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第6弾は鹿児島県です。
奄美地域を中心に祝事やもてなしの席でよく作られる「鶏飯」と、鹿児島の特産品・さつまいもを使った「がね」をみんなで作って美味しくいただきました。

鶏飯は、ほぐした鶏肉、甘く煮た椎茸の細切り、錦糸卵などを白いごはんの上にのせ、鶏ダシのスープをかけたもの。奄美群島が薩摩藩の支配下に置かれていた時代に本土から訪れる役人にふるまっていたそうで、当時は非常に貴重だった鶏肉を余すところなく使ったおもてなし料理でした。この頃は鶏の炊き込みごはん風で、スープをかけるアレンジが浸透したのは昭和に入ってから。今では、たっぷりのスープが欠かせません。

「がね」は、地域や作る人によって材料などが異なるようですが、共通点は「さつまいもと粉類を油で揚げたもの」。太めの千切りにしたさつまいもや人参などを揚げたその姿が「かに」(鹿児島弁で「がね」)に似ていることからこの名が付いたそうです。衣は少し甘めの味付けにするのが特徴で、お正月に作られるほか、焼酎のつまみやお茶うけ、こどものおやつ、給食のおかずなどさまざまな場面で食されるおなじみの存在です。

「鶏飯」と「がね」が同時進行なので、こども達は大忙しです。みんなで手分けしながら、賑やかに、そしてとても丁寧に準備を進めていきます。

鶏飯用の絹さやは筋を取り、塩茹でしてから斜めにカット。スタッフが前日に煮ておいた椎茸は細切りに、ささみは手で細かく裂いていきましょう。薄焼き卵も細くきれいに切ることができました。

がねに使うさつまいもとにんじんを切るのは、ちょっと大きなこどもたち。かための野菜をたくさん切るのは大人でもなかなか大変ですが、こどもたちは楽しさそうに全力投球してくれます。一見難しそうに思える作業だって、やっているうちに上手になっていくのです。

切る作業が終わったら、がねを揚げましょう。小麦粉、もち粉、卵、水を混ぜて醤油と砂糖で味付けをした衣に、さっき切ったさつまいも・人参・にらを入れてからめ、木杓子の上で横長の「かに」になるように形を整え、熱々の油でじっくりと。かにさんの形に仕上がったかな?

自分でやったひとつひとつの作業が最終的に美味しい料理になっていく、その体験はこどもたちにとってワクワクすることばかり。「こうやって切るんだね」「色がきれい」「早く食べたいな」と、今日もあちこちから嬉しそうな声が聞こえてきました。

今日のごはんは、ご寄付でいただいた新米です。かまどで美味しく炊き上がったら、自分でよそって具材を盛り付け、スープをかけていただきます。
揚げたてのがねと一緒に、鹿児島の味を楽しみました。

“みんなでつくって、みんなで食べる”
今月も「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/09/21|景丘の家・こども食堂

8/30『LATURE × こども食堂』室田拓人/ LATUREオーナーシェフ フォトレポート

夏休みも終わり新学期がはじまりましたね。
青山のフレンチレストラン『LATURE』のみなさんにお越しいただき、本格フランス料理を体験しました。

今日作るのは、こちらの3品。
〜〜
●ローストビーフ きのこソテー添え
●海老のマセドワーヌサラダ
●とうもろこしの冷たいポタージュ
〜〜
コック帽をかぶったら、みんな一流のシェフ気分!!

みんなで分担してそれぞれのお料理をつくっていきます。
おうちではなかなか作れない手間のかかるお料理を、ひとつひとつ丁寧に教えていただきながら仕上げていきます。
自家製のマヨネーズやとうもろこしを裏ごししたポタージュなどなど、やったことのない工程がたくさんありました。
かたまりの大きなお肉もどんどん切っていきましょう!エビの皮もたくさん剥きました。

先生の手元をよくみて優しく教えて頂きながら同じように進めていきます。
それぞれに作ったお料理を盛り付けていくと、、 、自分でつくったと思えないような、とても素敵なフランス料理ができあがりました!

LATUREさんがつくってきてくれた、プリンとふかふかのパンを添えたら、
みんなそろって『いただきます!』 口に入れた瞬間「おいしい~!」と、自然に笑顔がこぼれていましたね。

LATUREのシェフたちとテーブルを囲み、質問もたくさんして話に花が咲いていました。
今日のこと、たくさんお話しできたかな?

はじめてつくった本格フランス料理は、 夏休み最後のとってもおいしい思い出となりました。
LATUREのみなさん、素敵な体験をありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/09/02|フリープログラム

日本の郷土ごはん vol.5『大阪:かしわのすき焼き』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第5弾は大阪府です。
お盆最終日の8月16日、たくさんの元気な笑顔が景丘に集い、おいしい時間を過ごしました。

関西地方では鶏肉のことを「かしわ」と呼びます。今日のメニューはその「かしわ」を使ったすき焼きと、明治から大正にかけて大阪の商業中心地としてにぎわった問屋街で生まれた「船場汁」です。

まずはみんなで具材切りから始めます。
船場汁に入れる大根や、すき焼きに入れるお豆腐、椎茸などなど…。
包丁の使い方に気をつけながら頑張りました。
小さい子たちは白菜の葉を手でちぎってくれましたね。

具材が用意できたら、いくつものフライパンにわけて一気にかしわを焼きましょう。
同時に、船場汁の大きな鍋にも大根と鯖を入れてグツグツ煮ていきます。

こどもたちが見守るフライパンからは、かしわが焼ける香ばしい匂いがしてきました。プチプチはねる油だって、気にしない気にしない!!

お肉に焼き色がついたらほかの具材もきれいに並べていきましょう。
割り下を注いだら、具材それぞれを丁寧に煮ていきます。
どの具材にも味がしっかりしみ込むよう、お豆腐もひとつひとつ裏返して。。。

さぁ、かまどのご飯も炊きあがりましたよ!
みんなそろっていただきます!!

夏休みの今日はデザートにかき氷も用意しました。
梅のシロップをかけて、さっぱりひんやりおいしかったね。

おいしく楽しい夏の夜がにぎやかに過ぎていきました。

“みんなでつくって、みんなで食べる”
今月も「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/08/18|景丘の家・こども食堂

日本の郷土ごはん vol.4『静岡:鯖の箱寿司』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第4弾は静岡県です。
夏休み目前、今日も元気いっぱいのこどもたちと楽しい時間を過ごしました。

おいしい魚がとれる伊豆地域などを中心に、祭りや行事などのハレの日に作られる「箱寿司」。
木箱に酢飯を詰め、地元産の鯖(地域によってはアジや金目鯛)の身をほぐしたそぼろ(地元では「おぼろ」)、にんじん、しいたけ、桜えびなどの具材をのせた郷土料理です。

鯖は茹でてから皮と骨を除き、身をほぐし、砂糖と醤油で炒ってそぼろ状にしていきます。
魚を手でさわって調理するなんて普段はなかなか経験しないこどもたち、興味津々でチャレンジ。
つまみ食いしたいのをガマンしながら、おいしい味付けに仕上げました。
ほかの具材もみんなで手分けして、ていねいに切りそろえていきますよ。

そしてクライマックスは、ごはんや具材を木箱に詰める工程。
お酢のいい香りに包まれながら、酢飯をギュッギュ。その上にはさっき作った鯖のおぼろ、甘じょっぱく煮付けたしいたけ、酢れんこん、桜えび、にんじん、絹さや、かまぼこ、薄焼き卵をのせました。

彩りもきれいで、本当においしそう!
こどもも大人も「わーっ!」と思わず歓声をあげてしまう仕上がりです。

豆腐とわかめのお味噌汁も添えて、いただきま~す。
おいしくきれいに作れてよかったね!

最後に少しだけ歴史のお勉強を。
この箱寿司は、鎌倉時代に日蓮聖人が伊豆に流罪になった際、聖人をかくまった漁師が朝夕の食事を井桁の重箱で運んだことが由来といわれています。
日蓮聖人の命を救った善行はのちに広く伝わり、祭りなどの席でふるまう郷土料理として定着したのだそうです。

2023/07/20|景丘の家・こども食堂