日本の郷土ごはん vol.9『青森:ねりこみ』フォトレポート
【日本の郷土ごはんシリーズ】第9弾は青森県です。
伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分で美味しくいただく「景丘の家 こども食堂」。今日は「ねりこみ」という野菜の煮物と、旨味たっぷりのイカメンチ、そしてつくる作業も楽しい「ひっつみ」に挑戦しました!
「ねりこみ」は、弘前にあるお寺の和尚さんが托鉢(たくはつ)で集めたお野菜を「くず寄せ」にして食べていた精進料理がルーツとされています。季節の根菜類とこんにゃくを使い、煮汁はたっぷり目。最後に水溶き片栗粉でとろみをつけるのが特徴です。弘前地方では昔からお正月や冠婚葬祭のおもてなし料理として定番なのだそう。甘く仕上げるため、今でいうスイーツのような意味合いもあったのだといいます。
今日使った材料は、さつまいも、人参、干し椎茸、油揚げ、金時豆、こんにゃくです。こどもたちの作業は、これらをひとつひとつ切るところからスタートします。さつまいもと人参は少し大きめの乱切りに、干し椎茸と油揚げも丁寧に。こんにゃくはスプーンを使って切り分けましょう。
「煮物は、素材の大きさをなるべく揃えるときれいに仕上がるよ」
「こんにゃくは、スプーンで切ると断面がたくさんできて味が染み込みやすいよ」
いつものように、スタッフが調理のコツや理由を説明しながらお手本を見せ、その後にこどもたちが実践します。ただ言われたようにやるだけではなく、「なんでこうするのかな?」を知ってもらったほうがおうちでも再現しやすいし、料理がさらに楽しくなると思います。こどもたちは真剣そのもの、やる気もいっぱい。ちゃんと教えてもらいながら挑戦することが大好きなのです。
材料を切り終えたら、準備しておいただし汁でコトコト、グツグツ。調味料を加えて、いったん味見。「おいし〜い!」の声があちこちであがりました。最後に水溶き片栗粉を加え、お野菜がくずれないようにそっと混ぜると、見事につやっと照りのある「ねりこみ」が完成です!
イカメンチは、イカをたたいてペースト上にしたものに、みじん切りの玉ねぎ、人参、キャベツ、小麦粉、塩を加えて練った生地を揚げたものです。みんなに行き渡るように、グラムもしっかり量ります。どんどん作業が早くなり、笑顔がこぼれ出すこどもたち!揚げ出したらとっても良いにかおりがしてきました。「早く食べたいね」「いい匂いがしてきたね」。最後はきれいに盛り付ける作業もまたみんなで頑張りました。
さぁあとは、ひっつみの仕上げです。クツクツ煮えたお汁に指でのばした「ひっつみ」をどんどん入れていきます。ひっつみの材料は強力粉と水だけ。前日にコネコネしてしっかり寝かせておいた生地なので、もっちりどっしりしています。指先で好きな形に整えてお汁に投入する作業はどの子も楽しそう。「おうちでもやりたい」という声も聞こえてきました。
かまどのご飯も炊きあがり、つやっと美しいねりこみ、たまらなくいい香りのイカメンチ、できたて熱々のひっつみ。さぁ今日もモリモリ美味しくいただきましょう。
“みんなでつくって、みんなで食べる”
今年最後の景丘の家こども食堂。
この1年、「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。
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いつもテキパキと穏やかにサポート下さるボランティアさん方にもたくさんの感謝込めて。。。
2023/12/21|景丘の家・こども食堂