8月〜 【旧暦】伝承行事展示
『七夕』下中菜穂・松田牧恵

●松本の七夕人形

笹竹に短冊を飾って星に願い事をする。それが、みなさんがよく知っている七夕ですね。
でも、この形はあんがい新しいもので、長い歴史の中ではさまざまにその形は移り変わってきました。地方によっては今でも、全く違う七夕まつりが行われています。

今回は旧暦の7月7日に行われる松本地方の七夕を紹介しようと思います。

今では限られた地方になってしまっていますが、七夕に着物を飾る種族は昭和30年代には東日本を中心にほぼ全国的に分納していたと思われます。

これは、中国の「乞巧奠(きっこうでん)」という裁縫などの技芸上達を願う儀式の流れをくんでいます。

●流し雛形人形

かつては、お盆に祖先の霊を迎えるために身を清める禊をして、
紙のヒトガタを川などに流したことと同じ意味があると思われます。

●着物かけ型人形

木でできた大きなものは、ハンガーのように実際の子どもの浴衣を着せて飾ったりもしました。

●「カータリ」「アシナガ」

本来は木でできていますが、ダンボールで作ってみました。
「カータリ」は「川渡り」「川越え」「アシナガ」は「足長」の意味で着物裾をからげた姿で、
七夕さまを背負って川を渡って運んでくれる川越人足の姿だそうです。

 

*この展示は、松本市の三村さん(ベラミ人形店)に松本の七夕について教えていただいたことをもとに「七夕人形」の一部を製作しました。ありがとうございます。(下中菜穂)

日時 8月〜
対象 どなたでも
参加費 無料

下中菜穂造形作家 暮らしの手仕事・伝承行事研究

江戸時代の切り紙「もんきり」と出会い、暮らしの中で息づいてきた「切り紙」や伝統的な「かたち」、風習、行事などを研究。日本各地、中国などをフィールドワーク。書籍の出版やワークショップ、展覧会などを通して私たちの今の暮らしの中に活かす活動を続ける。「知る、やってみる、問い続ける」をモットーに、旧暦の日取りで行う実験的なワークショップ「旧暦カフェ」を主宰。

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