2月中旬〜 【旧暦】伝承行事展示
『小正月』下中菜穂

かつては元旦を中心とした「大正月」と1月15日を中心とした「小正月」がありそれぞれ違った行事が行われてきました。
大正月の期間を「松の内」小正月から月末までを「花の内」と呼ぶ地方もあります。

さて、「小正月」には、どんな行事があるのでしょう?
大正月よりも多様で複雑なのは、こちらの方が新年の神まつりの古い形を残しているためだといわれています。
暦が人々に普及する以前は、満月が月の始まりと考えられていたのです。
小正月には豊作を願う農業や養蚕などに関する行事や占いが今でも各地で行われています。
今年もその中からいくつかを「やってみる」ことにしましょう。

どんな行事があるのかな?

ツクリモノ…粟や稗の穂や稲穂、繭に見立てた飾り、削り花、農機具のミニチュア、雉車などをつくる
成木責め…柿や栗、胡桃などの果樹に呪文を唱えながら棒やナタで叩く
庭田植え…田んぼに見立てた庭に松葉や稲藁、豆殻などを植える仕草をする
粥占い/豆占い…粥を竹筒に入れたり、豆を囲炉裏で焼いたりして豊凶を占う
小豆粥を食べる…小豆の赤は邪気を払うとしてこの日に食べる
トンド焼き…正月の門松や締め混ざりなどを集めて焼き、1年の健康を祈る
鳥追い…子どもたちが鳥追い小屋に集い、害鳥の被害がないように長いながら鳥追い歌を歌いながら村中を歩く
門入道…マルタで作った人形を立てる
柳吊り…ミズキや柳の枝にめでたい形や繭玉などを吊るす飾り。農村の風習が都市化されたものか。

日時 2月中旬〜
対象 どなたでも
参加費 無料

下中菜穂造形作家 暮らしの手仕事・伝承行事研究

江戸時代の切り紙「もんきり」と出会い、暮らしの中で息づいてきた「切り紙」や伝統的な「かたち」、風習、行事などを研究。日本各地、中国などをフィールドワーク。書籍の出版やワークショップ、展覧会などを通して私たちの今の暮らしの中に活かす活動を続ける。「知る、やってみる、問い続ける」をモットーに、旧暦の日取りで行う実験的なワークショップ「旧暦カフェ」を主宰。

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