『稲わらで筆づくり』東明美/わら筆作家 フォトレポート
わたしたちの日常に欠かせないお米。
その稲わらを使って、みんなで筆をつくりました。
稲わらのさやのような稈(かん)から一本のわらを引き抜くと、
まっすくで細くて美しい、ミゴと呼ばれる穂首が出てきます。
丁寧な手つきで30本ほど引き抜くと、美しいミゴの束ができました。
できあがったミゴの束は紐でくくります。
講師の東先生のまわりに集まり、みんなで解けにくい紐の結び方を教わりました。
仕上げに、筆先に水をつけてしっとりとさせてから木槌でたたきます。
コツは、まわしながらたたくこと。
小さな子もがんばってトントンと木槌を振り下ろして、
大人はさすが。音がドンドンと部屋中に響きます。
たたいた後は、筆先を両手ではさんで揉み上げます。
チクチクとしていた筆先がやわらかくなるまで繰り返すと、
硬く乾いて広がっていた筆先が、
ふんわりやわらかく、よく見る筆の形になりました。
実際に文字を書いてみると、
力強い文字が書けたり、繊細な文字が書けたり。
筆先の仕上がり具合によって、書いた文字には個性が宿っていました。
うっとりとするほど美しい、田んぼがある風景。
田んぼがわたしたちにもたらしてくれるものは、お米だけではありません。
みなさんが暮らしている街の中にも、
稲わらでできた、わら細工があるかもしれません。
ぜひ探してみてくださいね。
2024/09/22|アートスクール