おしらせ

『羊毛であそぼう』景丘の家 フォトレポート

今回は、阿蘇と東京の二拠点で活動する羊毛作家の渡辺泰子さんをお招きして、みんなで羊毛の世界にふれてみました。

羊毛は、防音・防寒性に優れ、さらに水も弾くというとても丈夫な素材。
昔の暮らしでは、羊たちは身近な存在であり、その毛は日々の生活を支える大切な素材だったそうです。
そんな羊毛の魅力を、泰子さんが楽しく教えてくださりました。

ワークショップのはじまりは、「ペレのあたらしいふく」という絵本の朗読から。
羊の毛がどんな風に服になるのか、物語の中に入り込んで想像をふくらませます。

読み終えたあとは、羊毛がどのように糸になるのか、デモンストレーションの時間。
刈り取ったばかりの羊毛の匂いを嗅いでみます。
「動物園のにおいがする!」「ペレットの匂いがする」
ふだん触れることのない素材に、五感をつかってじっくり向き合います。

絵本に出てきた、道具たちも実際に使ってみます。
泰子さんが目の前で羊毛を洗い、紡ぎ車を使って糸を紡いでくれました。
やわらかな毛が、少しずつ糸になっていく様子に、子どもも大人も見入っていました。

そしていよいよ、羊毛フェルトづくり。
まずは、白い羊毛を敷いて紙代わりにし、その上に好きな色の羊毛を重ねて絵を描いていきます。
「ユニコーンをつくりたい」「お家では飼えないけど、わんちゃんをつくりたい」
それぞれ、つくりたいのを形にしていきます。
できあがったら袋の中に入れて、水と石けんを加えて、手でもみもみ。
水で縮む性質をもつ羊毛は、もみ込むことで少しずつ縮み、だんだんと固まってフェルトになっていきます。

たくさん手を使ってもみ込む作業は一苦労。でも、きれいに浮かび上ってくる形に、子どもたちの表情はとてもうれしそう。
仕上げには、気になる部分を先生に専用の針で調整してもらったり、ハサミでまわりを丁寧に切り取ってたり。それぞれが自分のペースでつくりあげていく様子が印象的でした。

できあがったフェルトは、コースターにしたり、鍋敷きにしたり、額に入れて飾っても素敵。
羊毛でつくったコースター、みんなの暮らしのどこに使われていくのかな。

ふわふわだった羊毛が、だんだんとかたちを変えていく不思議とおもしろさ。
そして何より、自分の手でなにかをつくるよろこび。
羊たちのぬくもりが、みんなの作品にやさしく残っている気がしました。

2025/05/29|アートスクール