日本の郷土ごはん vol.15『徳島:金時豆入りばら寿司』フォトレポート
【日本の郷土ごはんシリーズ】第15弾は徳島県です。
伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分で美味しくいただく「景丘の家 こども食堂」。
今回は徳島県の「金時豆入りばら寿司」「うちがえ雑煮」「でこまわし」を作りました。
400年の歴史を誇る「阿波踊り」、世界三大潮流のひとつ「鳴門の渦潮」、お遍路のスタート地点「霊山寺」など伝統文化や名所が豊富な徳島県。食文化も個性的で盛りだくさんです。
今回みんなで作る「金時豆ばら寿司」は、こんにゃく、しいたけ、ごぼうなどをそれぞれ別のお鍋で煮付けておき、酢飯に混ぜ合わせて作ります。家庭や季節によって混ぜる具材はさまざまですが、絶対に欠かせないのが金時豆。徳島ではほかにも「豆天玉」や「でんぶ」など金時豆を使う郷土料理が豊富で、砂糖と醤油の甘い味わいは赤ちゃんからお年寄りまで愛されています。
今日の作業は、まずこの「金時豆ばら寿司」に混ぜるしいたけや、最後に散らす塩茹でインゲン豆を切るところから。甘辛く煮付けてあるしいたけはくにゅっとやわらかいので、「包丁初体験」の小さい子にとってはなかなかの難関。集中して丁寧に頑張ってくれました。スタッフのお手本を見ながら、きれいに仕上がりましたよ!
別のテーブルでは、「でこまわし」に塗る味噌ダレを調理。串に刺した一口サイズのじゃがいもやこんにゃくなどに、この甘辛く濃厚な手作り味噌ダレをたっぷりぬって焼きます。「でこまわし」の由来は、串を囲炉裏に立てて焦げないように回しながら焼く様子が阿波人形浄瑠璃の木像(でこ)人形の頭を回しているように見えた、という説があるそうです。囲炉裏のある景丘の家にぴったりのほっこり香ばしい一品です。
汁ものは、里芋を丸ごと1つお椀によそい、その上に大きめのお豆腐をどん!とのせるインパクト抜群の「うちがえ雑煮」。里芋も豆腐もそれぞれ美味しく煮込んであり、子どもたちは「こんなの初めて食べるね」と大喜びで味わっていました。
針生姜や紅生姜、インゲン豆などをバランス良く散らして、彩り豊かに仕上がった「金時豆ばら寿司」。見た目もかわいらしく食が進む「でこまわし」。素朴で深い味わいの「うちがえ雑煮」。今日のお料理は野菜や豆、豆腐がたっぷりで、お肉は全く使っていません。「普段はお肉が大好きで、野菜はあまり…」という子も「とってもおいしい」とニコニコ笑顔で平らげてくれました。
伝統的なお料理は手間暇かかるものも多いですが、その分、しみじみと美味しいですよね。今日の囲炉裏も素敵な時間が流れていました。
“みんなでつくって、みんなで食べる。
「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力で今月も楽しくこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。
2024/06/21|景丘の家・こども食堂