おしらせ

『描いて、彫って、組む。動物のかたち』長雪恵/美術家 フォトレポート

学校の授業では、彫ったものを版として使う木版画。
今回は、美術家の長雪恵さんを講師にお迎えして、彫ったそのものを作品として完成させる「木彩画」のワークショップを行いました。

長さんは、自身の作品を解体し、その一部を新たな作品へと生まれ変わらせながら制作されています。
ひとつの作品が終わりではなく、姿を変えながらつながっていく。
そんな長さんならではのものづくりのなかで生まれた作品も目の当たりにしながら、それぞれの作業へ。

家族の一員であるウサギや、写真集の中でふと目が合ったフクロウ。
偶然親子でリンクした海の生きものたち。
思い思いに主役となる動物を決め、のびのびと描いていきます。

色付けまでできたら、彫刻刀を手に木を彫り進めます。
毛並みや羽の流れ、輪郭を少しずつ刻んでいくと、絵画でも、版画でもない新鮮なテクスチャーが現れます。

主役の動物たちを彩るのは、長さんがこれまで制作してきたもののかけらたち。
さまざまな色や柄の断片の中から、その時の気持ちに重なるものを選び取っていきます。

さらに、切り落とされた余白もまた大切な素材として作品に取り入れます。
制作の過程で生まれたものとの偶然の組み合わせを楽しみながらコラージュを重ね、
新たなかたちへと変化させていきました。

木の生命力を受け取り、彫刻刀を道具としてではなく自分を表現する「筆」として使ってみる体験。
長さんと参加者のみなさん、それぞれの記憶や気持ちが重なり、新しい風景が立ち上がるような時間となりました。

2026/06/04|アートスクール

日本の郷土ごはん vol.38『神奈川・とん漬け』フォトレポート

伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分でおいしくいただく「景丘の家 こども食堂」。
今月は神奈川県の郷土料理「とん漬け」「けんちん汁」、そして季節のよもぎを使ったよもぎ団子をつくりました。

「とん漬け」は、厚木市の名物料理。特製味噌にじっくり漬け込み香ばしく焼き上げた、ごはんがすすむ一品です。その始まりは江戸時代末期ともいわれ、文明開化とともに豚肉文化が広まる中、養豚の盛んだった厚木地域を代表する料理として親しまれるようになりました。

「けんちん汁」は、鎌倉・建長寺が発祥といわれる精進料理。修行僧が落として崩れてしまった豆腐を無駄にせず、野菜と合わせて作った「建長汁」が由来ともいわれています。手で崩した豆腐とさまざまな根菜、きのこ類、こんにゃくなどを使った具だくさんの汁ものです。

そして今回は、景丘の家で展示中の旧暦行事に関連して、いただいたよもぎも味わいます。濃い緑が美しいよもぎをたっぷり練り込んだお団子に、きなこと白みつを添えて。野山の力をいただくような、春を感じるデザートです。

こどもたちはまず、切る作業に挑戦。にんじん、大根、れんこんなどの根菜類を丁寧に切り揃え、こんにゃくはスプーンでちぎります。豆腐はもちろん手で崩しました。たっぷりのごま油でじっくり炒め、椎茸のだし汁を加えたら、あとはじっくりコトコト。ごま油の香りと野菜のうま味が広がり、シンプルな醤油味だけでしみじみおいしい一椀に。

とん漬けは、味噌の香ばしさが広がる焼きの工程にチャレンジです。油がはねるのにドキドキしながらも、みんなでたくさんのお肉を焼き上げました。「これ一切れでごはん一膳いける!」という声も飛び出し、かまどで炊いたつやつやのごはんもどんどん進みましたよ。

神奈川の郷土料理と、季節の行事を感じられる香り豊かなよもぎ団子。今月も、食卓いっぱいに笑顔が広がる時間となりました。

“みんなでつくって、みんなで食べる。”

今回も多くの方々のご協力のもと、こども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2026/05/27|景丘の家・こども食堂

日本の郷土ごはん vol.37『千葉・ごんじゅう』フォトレポート

伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分でおいしくいただく「景丘の家 こども食堂」。
今月は千葉県の郷土料理「ごんじゅう」「ふうかし」「チッコ豆腐」をつくりました。

「ごんじゅう」は、甘辛く煮た豚バラ肉と油揚げ、から煎りした鰹節を炊きたてごはんに混ぜたもの。古くは、出雲を目指してお参りに出かける人々が、道中の無事を願って出発の際に食べたといわれています。現在では伝統ある秋祭りで御輿担ぎの若衆に振る舞われるなど地域の行事とともに受け継がれ、担ぎ手が片手でも食べやすいようにおにぎりの形で親しまれています。

「ふうかし」は、あさりのうま味をたっぷり味わえる味噌汁。江戸時代、豊富にとれるあさりを運ぶ際、蒸かした後に出た汁に少量の味噌を加えて食べた“漁師の賄い料理”が始まりといわれています。シンプルながらも、あさりのだしがしっかり感じられる、滋味深い味わいです。

「チッコ豆腐」は、牛乳を沸騰直前まで温めてから酢を加え、水気を切って固めた、カッテージチーズのような一品。醤油でいただくのが一般的ですが、今回はオリーブオイルと塩の組み合わせも楽しんでみました。

こどもたちはまず、ごんじゅうに使う油揚げや豚肉を細かく切る作業から。煎った鰹節を手でほぐす作業も、「いいにおい!」と歓声を上げつつ丁寧に頑張りました。ふうかしでは、パカッと開くあさりの様子を楽しみながら調味し、おいしい味噌汁に仕上げていきます。

そして今回のクライマックスは、おにぎりづくり。たっぷりの具を混ぜ合わせた熱々のごはんをひとつひとつ握る作業はなかなか大変でしたが、みんなで協力しながら、たくさんのおにぎりが出来上がりました。

すべての準備が整ったら、待ちに待った「いただきます!」。おいしいおにぎりと味噌汁をもりもり味わいました。手軽につくれるチッコ豆腐も「おうちでやってみたい!」という声が続出。千葉の豊かな食文化に触れながら、今月も笑顔あふれる時間がゆったりと流れていきました。

“みんなでつくって、みんなで食べる。”

今回も「大地を守る会」「ツルハグループ こども食堂ゆたかさ基金」をはじめ、多くの方々のご協力のもと、こども食堂を開催することができました。
心より感謝申し上げます。

2026/05/13|景丘の家・こども食堂