11/5(土) 14:00~16:00
【旧暦】伝承行事展示
『旧暦で行事をやってみる ~亥の子(いのこ)十日夜(とうかんや) ~』下中菜穂
みなさんは、「旧暦(きゅうれき)」という言葉を知っていますか?
実は150年ほど前の江戸時代までは、今私たちが使っているカレンダー(新暦)とは違う暦(こよみ)が使われていました。これを「旧暦」と呼びます。この暦は月の満ち欠けに合わせて、新月が1日、満月が15日となるように工夫されていました。
人々の暮らしや行事は、長い間この暦に合わせて組み立てられてきました。
明治になって突然、これを太陽の動きにあわせた暦に変えることになりました。
なんと、その年は約1ヶ月も早くお正月が来てしまったのです。当時の人々はさぞびっくりしたでしょうね。それ以来、季節に合わせて行ってきた行事を本来とは違う日にやることになったのです。その混乱ぶりはどれほどだったか想像してみてください。
この出来事によって、意味がよくわからなくなってしまった行事もたくさんあります。
改めて旧暦に合わせて「やってみる」ことで、本当の行事の姿を探ってみましょう。
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「亥の日」って何のこと?
旧暦では、それぞれの日に、十二支が当てられていました。
十二日ごとに繰り返されるので、毎年同じ日が同じ日取りになるとは限りません。
この暦の十二支には、中国から伝わった考え方が込められており、生活のさまざまな場面の指針になっていました。
「亥」は冬の気であり、万物の生命力が衰え、草木が枯れ、種子の中に生命のもとが宿された状態を象徴します。
さて、この「亥の日」に、どんなことをするのでしょう?
まず、こどもたちは、藁で「藁でっぽう」と呼ばれる棒を作ります。
これで地面を思い切りバシンバシンと叩きながら「亥の子唄」を大声でうたい、村の家々をめぐるのです。家々では「亥の子餅」を作ってこどもたちをもてなすのだといいます。お菓子やお小遣いを配ることもあるようです。(これはハローウィンとちょっと似ていますね)
西日本では、大きな石に縄をかけ、大勢で持ち上げながら、どずんどすんと地面を叩く「亥の子突き」をすることころもあります。
今回は、みんなで実際に藁でっぽうを作り、亥の子唄を歌ってみます。
日時 | 11/5(土) 14:00~16:00 |
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対象 | どなたでも |
参加費 | 無料 |
下中菜穂造形作家 暮らしの手仕事・伝承行事研究
江戸時代の切り紙「もんきり」と出会い、暮らしの中で息づいてきた「切り紙」や伝統的な「かたち」、風習、行事などを研究。日本各地、中国などをフィールドワーク。書籍の出版やワークショップ、展覧会などを通して私たちの今の暮らしの中に活かす活動を続ける。「知る、やってみる、問い続ける」をモットーに、旧暦の日取りで行う実験的なワークショップ「旧暦カフェ」を主宰。