5/25(水)〜展示開催 【旧暦】
『卯月八日の「天道花(てんとうばな)』下中菜穂 / 造形作家 暮らしの手仕事・伝承行事研究

次々に花がほころび、みるみる若葉が伸び広がる季節。
この日に高い竿の先にの野山で採った花を束ねて庭先に掲げる風習があります。
ウツギ(卯の花)ツツジ、シャクナゲ、フジ、ヤマブキ、レンゲなどを花束にして掲げます。

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「天道」とは太陽のこと。昔の子供達はよく大人から「お天道様が見ているよ」といわれたものです。
誰も見ていないと思っても、天の高いところにはいつも太陽がいて、私たちを見ている。
お天道様はそんな存在でした。

「天道花」は太陽に捧げる花束です。
場所によってはこの日を「オツキヨウカ」といって、同じように月に花束を捧げます。
古くから月は「水」を司る神様だと考えられてきました。
作物にとってなくてはならないのが、太陽の恵み(日光)と月の恵み(水)。
花束を掲げることで、太陽や月に豊かな実りを願ったのでしょう。

また、1年の農事の始まりに山から降りてくる神の目印として掲げるのだともいわれます。
この日は農作業を休んで。ご馳走を持って一日山で遊ぶ「山遊び」をする風習も。
「卯月八日の花より団子」という言葉があって、団子を供える地方もあるようです。
そろそろ田植えの準備の季節。田んぼの水の取り入れ口にも花束を供えます(水口祭)。

4月8日といえば、お釈迦様の誕生を祝う「花まつり」(灌仏会)もこの日ですね。
花のお堂の下の釈迦の像に甘茶を注ぎかけます。この仏教行事は江戸から明治にかけて大いに賑い、
この甘茶で墨を擦って、「ちはやぶる 卯月八日の吉日よ かみさげ虫を成敗ぞする」と書いた紙を、
逆さにして戸口や便所に貼ると虫除けになる、というおまじないもありました。

実は2019年から毎年、私たちも「天道花」をやってみよう!という呼びかけをしています。
都会の狭い路地でも、アパートのベランダからでも、自分なりに身近な花を摘んで。
やってみると、なんだか本当に空高くから「お天道様」が見守ってくれている、そんな気持ちになるものです。
いろんな人から「私の天道花」の写真が寄せられるのも楽しみ。

私たちを包み込む大きな存在を感じる行事です。あなたもやってみませんか?

 

 

日時 5/25(水)〜展示開催
対象 どなたでも
参加費 無料

下中菜穂造形作家 暮らしの手仕事・伝承行事研究

江戸時代の切り紙「もんきり」と出会い、暮らしの中で息づいてきた「切り紙」や伝統的な「かたち」、風習、行事などを研究。日本各地、中国などをフィールドワーク。書籍の出版やワークショップ、展覧会などを通して私たちの今の暮らしの中に活かす活動を続ける。「知る、やってみる、問い続ける」をモットーに、旧暦の日取りで行う実験的なワークショップ「旧暦カフェ」を主宰。

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