10/22(日)〜 展示
【旧暦】重陽(旧暦9月9日)菊の着せ棉/下中菜穂

重陽の節供 菊の着せ綿

世界は陰と陽で成り立っていると考える「陰陽五行説」という学問があります。
この考え方は、古代中国に始まり、広く深く、東アジアや日本の生活や文化、行事の中にも根を下ろしています。

この説によると数字にも陰陽があり、奇数を陽、偶数を陰。それゆえ9月9日は9がふたつ重なるために「重陽」と呼ばれ、陽の気が強すぎるために、邪気を払うべき日だと考えられました。

このように、本来行事は「悪い日」のお祓いをするために行われるものだったのです。
陽の日が重なる、3月3日の桃の節供、5月5日の端午、7月7日の七夕にもそれぞれ行事がありますね。

この日は菊の節供ともよばれ、菊を愛でる宴をし、菊のお菓子を食べたり、菊のお酒を飲んだりしました。菊の花を詰めた枕をしたり、菊のお風呂に入ったりも。香り高い菊は、もともと中国から日本い伝えられた植物で、不老長寿の薬効があるとされたのです。

平安時代の宮中では、前日に菊の花の上に「真綿(絹の綿)」をふわりとのせて、菊の花の香りの夜露を吸ったもので、身体を拭うと若返るとされる「菊の着せ綿」という行事も行われたのだといいます。
今でも新暦の9月9日にこれらの行事を続けているところもあるのですが、
なんといっても、新暦のこの頃にはまだ菊が咲いていないこともあり、あまりなじみのない行事になってしまっています。

もうひとつ、この日にするといわれるのは「登高」です。
文字通り、この日に小高い山や丘、高い塔などに登るのです。
いったいなぜでしょう?いろいろな説が言われていますが、日常を離れ草木の息吹に触れ、高いところから秋の収穫を終えた里を眺めることで、この1年をを振り返り、少し先のことを考える。そういう意味があったのかもしれませんね。
私たちも、たまに高いところから、自分の今を眺めてみるのもいいかもしれません。

制作:下中菜穂、松田牧恵

日時 10/22(日)〜

下中菜穂造形作家 暮らしの手仕事・伝承行事研究

江戸時代の切り紙「もんきり」と出会い、暮らしの中で息づいてきた「切り紙」や伝統的な「かたち」、風習、行事などを研究。日本各地、中国などをフィールドワーク。書籍の出版やワークショップ、展覧会などを通して私たちの今の暮らしの中に活かす活動を続ける。「知る、やってみる、問い続ける」をモットーに、旧暦の日取りで行う実験的なワークショップ「旧暦カフェ」を主宰。

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