おしらせ

10/21『WOOLをかためて作るウサギ』緒方伶香/イラストレーター、羊毛作家 フォトレポート

羊毛にニードルパンチという専用の針をちくちく刺していくと、繊維が押し込まれてからまり、好きな形に固めていくことができます。シンプルで、お裁縫が苦手でも楽しめますが、今日は自分だけのウサギがどうやってできあがるのか、楽しみです。

 

講師の羊毛作家・緒方伶香さんが、見本として実際に作るウサギのほか、パンダやバクを持ってきてくださいました。「かわいい!」と喜ばれたこれらのモチーフは、実は絶滅危惧種の動物です。緒方さんは「手のひらの動物」と呼んでいて、それらの絶滅危惧種に思いを寄せた作品集も出版しています。

 

最初に、「スポーツだと思って、どんどん刺してください」と、緒方さん。ただし、手に針が刺さるととても痛いので、気をつけながらスポンジの上で垂直に刺していきます。
ふわふわの白と茶色の羊毛から、まず手と足を作ります。程よい大きさになるよう、羊毛を足してバランスを見たり、何度も刺し固めていきます。「スポーツ」とは、まさにこのこと。千本ノックのようにひたすら打っていきますが、だんだんと繊維がまとまってくるのが不思議です。

 

胴体部分の白い羊毛で足と手を挟むと、雰囲気が出てきました。
「ちょっと足が短いかな?」
「そこがかわいいんじゃん!」
「座れるように、もう少しここを刺そうか」
親子で相談しつつ、好みをめがけて調整しながら進めていきます。

 

耳をつけると、ようやくウサギらしく、それぞれの個性も現れてきました。片耳を折り曲げて表情を出していたり、びっくりするほど大きな耳でユーモラスな姿をしていたり。
本体ができたところで、いよいよ顔づくり。うすピンクの羊毛で立体感を出し、特別に染められたボタンと糸で、目・鼻・口と表情を加えて、ついに完成。終盤は急ぎ足でしたが、みなさんすっかりニードルの扱いに慣れたようすでした。

 

最後に、うさぎの集合写真。集合しても「私のは、あの子!」とすぐわかります。それぞれに味があってかわいいウサギたちが、誇らしげに並びました。
景丘の家の3階・おやこフロアには、オープン当初から緒方さんの「ツキノワグマ」がいます。久々の再会に、数年経って少しよれてきたクマも「こうやって直せるんですよ」と、ニードルで整えてくださいました。
羊毛は刺せば刺すほど固く締まっていきますが、作業の終わりは自分で決められます。「もっとこうしたい」と思ったら、今日の続きは家でもできます。長く一緒にいられるから、ますます愛着がわきそうです。

 

2023/10/24|アートスクール