おしらせ

『ジュースで版画?キッチンリトグラフ』 早川佳歩/アーティスト 、イシダチハル/イラストレーター フォトレポート

版画というと、木を彫刻刀で彫る版画は学校でやったことのある子も多いかもしれません。
今日は、お家のキッチンにあるもので「リトグラフ」という版画をつくってみます。
リトグラフは水と油が弾く性質を使って印刷するもので、凸凹をつくらずに刷ることができます。

使うのは、「アルミホイル」 「コーラ」 「サラダ油」。 どれも馴染みのある身近なものたちですね。

アルミホイルに、サラダ油や、クレヨンで絵を描いて、シュワシュワのコーラにドボンとしたら、
コーラが、インクが付くところと、つかないところを教えてくれます。

ローラーでインクを乗せると、油で描いた見えなかった絵があらわれました。凸凹してないのに絵を描いたところだけにインクがつきました。
それを紙で刷りとったらキッチンリトグラフの完成です!

実験みたいな不思議な現象に、こどもも大人も興味津々です。
なんどもなんども、版が壊れるまでたくさん刷りました。
だんだんと絵が潰れてくるのも面白く、「何枚までできるかな?」と挑戦しました。

プリンターを使ったら、同じ絵を何枚もすぐに印刷することもできるけれど、
自分の手で一枚一枚、ちょっとずつ刷ると、それぞれに個性的で心のこもった素敵な絵が出来上がります。
お友達や大切な人にプレゼントするのもいいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/04/24|アートスクール

『現代金継ぎワークショップ』 かえりやまひろこ/現代金継ぎ講師フォトレポート

今回のワークショップでは、かぶれにくい「新うるし」を使用した「現代金継ぎ」をみなさんに体験していただきました。

参加者のみなさんにお持ちいただいた食器は、どれも大切な思い出のものばかり。
少しヒビの入ったものから、大掛かりな修理が必要なものまで、傷の程度もさまざまでした。

割れたパーツを接着剤でつなげ、欠けた部分をパテで埋めていきます。
食器が割れてしまったとき、サッと捨ててしまうのではなく、
生じた傷跡を景色、歴史と捉え、新しい命を吹き込みながら使い続けていく。
それが、かつて千利休が茶の湯を大成した頃から存在するという金継ぎ技法の理念です。
真剣な表情で作業に没頭された参加者のみなさんは、
ご自身の食器にうつる景色をどのように見ていたのでしょうか。

バラバラだったパーツが器としての形状を取り戻し、
割れ目を金箔や銀箔を混ぜた新うるしでなぞると、
それまで「かつて食器だったもの」が「新しいもの」として輝きだしたのが見て取れました。
同じだけど、違う。
また器として使うことにわくわくしてくる。
そんな感情が湧き出てくるようでした。

職人のように真剣だった参加者のみなさんの表情も、
金継ぎを終えると笑顔が溢れました。

実際に使えるまでは、あと1週間寝かせてから。
また器として使う日が楽しみですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/04/18|アートスクール

『ビニールコラージュ』鎌倉美佳/マテリアルデザイナー フォトレポート

いろんな色のビニールにアイロンをあてて
マテリアルに変化する行程を体験する。
そして自由にデザインしたひらめきを
形に、色に、表現してみるワークショップ。
 
アパレルブランドでマテリアルを探求し続けたデザイナーの鎌倉先生は、
現在も新しい素材、新しい表現の幅を拡げています。
そして今回、身近な素材であるビニールを用い、こどもたちと体験の場を用意してくれました。
 
色とりどりで、形状も様々なビニールを前に
先生の試作を見ながら、扱い方のレクチャーを受けます。
 
薄くても厚く重ねても、どんな形でも、色の重なりによって出来るグラデーションも発見の連続です。
 
形づくる時、接着剤や糸で縫い合わせるなども不用で全てアインの圧着で出来てしまう手軽さと、
平面が立体になる構造のおもしろさも兼ね備えた、工作としての新しい手法に出会えた喜びとともに
思い思いの形が出来上がりました。
 
不要になったビニールを再利用して、こんなに楽しくて新しい表現が出来るなんて。
先生のようにいろんな形状づくりぜひお家でも試してみてくださいね。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/03/31|アートスクール

『「Human Tools」全身で大きな紙に描こう!』 竹村明奈/デザイナー フォトレポート

デザイナーの竹村さんが発明した「HumanTools」はその名のとおり、人間の身体によりそったプロダクト。
見たことのない形の道具たちにみんな興味津々。
どうやって使うのでしょう?さっそく先生に紹介していただきます。

まずは“足に挟んでジャンプして押せるスタンプ“。
思わず全身でちからいっぱい飛び跳ねたくなるスタンプです。

次に“足で乗って体を回転させて描くコンパス“。
バランスをとりながら身体ごとくるっと回ると、きれいな丸が描けます。

そして最後は“指の形に沿ったくぼみがある、丸くて大きなクレヨン“。
ころころ転がしても楽しむのもあり。クレヨンの角度を変えると色んな色で描けます。

そして目の前には10メートルもある巨大な画用紙!
両手に持ったクレヨンで雑巾掛けのようにして、なが〜い線を描く子。
お母さんと手を繋いで、くるくる回るコンパスを楽しむ子。
スタンプでぴょんぴょん、思わず笑ってしまう子。
HumanToolsを紙の上で転がして、自分まで転がってしまう子。

2~5歳までのみんなが、真っ白だった画用紙をカラフル笑顔いっぱいに埋めてくれました。

2024/03/24|アートスクール

『微かな音に耳を澄ませてみよう』 扇谷一穂/ヴォーカリスト・ドローイングアーティスト フォトレポート

春の兆しを感じる春分の日。今の季節にぴったりな童謡「はるがきた」の弾き語りを披露くださった扇谷一穂さん。
ひだまりのように温かく、心地の良い歌声とギターの音色に、こどもたちはさっそく引き込まれます。
みんなも小さい声からだんだん大きくしてみるクレッシェンドに挑戦。
初めましてのお友達どうし、まだまだ恥ずかしそうな表情もちらほら見られます。

さらに身体と声の体操でほぐしていきましょう。
声の体操では、「ありさんになったつもりで、ちいーさくお返事をして」「きりんさんの首のようにながーい声で」と扇谷さんのかけ声にみんなが応じます。

だんだんとほぐれたところで、扇谷さんが持っている楽器をいくつか見せてもらいました。ザザーンと波のような音がするもの、風鈴のような形のもの。
みんなで輪になって、それらの楽器をとなりのお友達へ渡していきます。

最初は思いきり音を鳴らして渡そう、次は音を鳴らさずに渡してみよう。
音が鳴らさないようにするのが難しい楽器もあるので、自然と声は小さく、意識を集中させます。

耳を澄ますってわかるかな?という始めの問いかけから、気づけばみんな小さな音を聞き取ろうと耳を澄ますことができていました。

最後に「耳香」という昔のお姫さまの遊びをしてみます。
小箱に小豆の粒を入れて、その小箱を耳元で振って粒の数を当てるというもの。今回は2つの箱を振ってどちらが多く入っているか、5粒と9粒の違いを聞き分けられるかな?
四季をあらわす4つの箱は、小豆の粒の数で季節をあらわしているのもおもしろいところ。
箱を開ける瞬間はみんな興味津々にかけ寄って、ほとんどの子が大正解でした。

微かな音に耳を傾けてみれば、季節のうつろいや小さな生きものたちの息吹に気がつくかも。
いつもの景色も新鮮に、たくさんの発見があるかもしれませんね。

2024/03/20|アートスクール