『虫の足音をきく装置をつくろう』佐々木有美/アーティスト・科学館職員 フォトレポート
みなさんは虫の足音を聞いたことがありますか?
私たちの足元に広がる小さな生き物の世界。
今回のアートスクールでは、アーティスト・科学館職員の佐々木有美さんと一緒に、
スピーカーを通して虫の足音を聞いてみました。
まずは、虫が歩く地面の振動を電気に変えて、
スピーカーから音として再生していく仕組みを作ります。
なんだかとても難しいことのように聞こえますが、
先生の指示に従ってもくもくと作業を進めていくと立派な装置ができあがりました。
できあがった装置にダンゴムシを入れ、スピーカーに耳を澄ませてみると、
「もそもそもそ…がさがさ…」確かに、ダンゴムシの足音が聞こえます。
身近な存在であるダンゴムシ。
足音を聞くと、より「生き物」という実感が湧いてくるようでした。
先生が連れてきた、日本のダンゴムシよりも何倍も大きいクロアチアハナタカダンゴムシの足音も
聞いてみると、「ダンダンダン!ガサガサガサ!!」と何倍も大きな立派な足音が聞こえてきました。
最後に景丘の家の周りでも虫を探してみると、
驚くほどたくさんのダンゴムシやワラジムシが暮らしていました。
たった今出産中のママダンゴムシもいて、参加者のみなさんもびっくり。
ダンゴムシは落ち葉や木の実、虫の死骸や人間の食べ残しなど
さまざまなものを食べて地面をきれいにし、
栄養がいっぱいつまったダンゴムシのフンは良い土を作り、植物が育つのを助けます。
一見、私たちの暮らしと関係がないように感じるダンゴムシも、
陸上の生態系を支える大事な存在なのだと、先生が教えてくれました。
小さな世界が躍動する音。
ぜひ今回の装置を使って、身の回りに暮らすいろいろな生き物の足音を聞いてみてください。
2024/05/23|その他