おしらせ

日本の郷土ごはん vol.6『鹿児島:鶏飯』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第6弾は鹿児島県です。
奄美地域を中心に祝事やもてなしの席でよく作られる「鶏飯」と、鹿児島の特産品・さつまいもを使った「がね」をみんなで作って美味しくいただきました。

鶏飯は、ほぐした鶏肉、甘く煮た椎茸の細切り、錦糸卵などを白いごはんの上にのせ、鶏ダシのスープをかけたもの。奄美群島が薩摩藩の支配下に置かれていた時代に本土から訪れる役人にふるまっていたそうで、当時は非常に貴重だった鶏肉を余すところなく使ったおもてなし料理でした。この頃は鶏の炊き込みごはん風で、スープをかけるアレンジが浸透したのは昭和に入ってから。今では、たっぷりのスープが欠かせません。

「がね」は、地域や作る人によって材料などが異なるようですが、共通点は「さつまいもと粉類を油で揚げたもの」。太めの千切りにしたさつまいもや人参などを揚げたその姿が「かに」(鹿児島弁で「がね」)に似ていることからこの名が付いたそうです。衣は少し甘めの味付けにするのが特徴で、お正月に作られるほか、焼酎のつまみやお茶うけ、こどものおやつ、給食のおかずなどさまざまな場面で食されるおなじみの存在です。

「鶏飯」と「がね」が同時進行なので、こども達は大忙しです。みんなで手分けしながら、賑やかに、そしてとても丁寧に準備を進めていきます。

鶏飯用の絹さやは筋を取り、塩茹でしてから斜めにカット。スタッフが前日に煮ておいた椎茸は細切りに、ささみは手で細かく裂いていきましょう。薄焼き卵も細くきれいに切ることができました。

がねに使うさつまいもとにんじんを切るのは、ちょっと大きなこどもたち。かための野菜をたくさん切るのは大人でもなかなか大変ですが、こどもたちは楽しさそうに全力投球してくれます。一見難しそうに思える作業だって、やっているうちに上手になっていくのです。

切る作業が終わったら、がねを揚げましょう。小麦粉、もち粉、卵、水を混ぜて醤油と砂糖で味付けをした衣に、さっき切ったさつまいも・人参・にらを入れてからめ、木杓子の上で横長の「かに」になるように形を整え、熱々の油でじっくりと。かにさんの形に仕上がったかな?

自分でやったひとつひとつの作業が最終的に美味しい料理になっていく、その体験はこどもたちにとってワクワクすることばかり。「こうやって切るんだね」「色がきれい」「早く食べたいな」と、今日もあちこちから嬉しそうな声が聞こえてきました。

今日のごはんは、ご寄付でいただいた新米です。かまどで美味しく炊き上がったら、自分でよそって具材を盛り付け、スープをかけていただきます。
揚げたてのがねと一緒に、鹿児島の味を楽しみました。

“みんなでつくって、みんなで食べる”
今月も「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/09/21|景丘の家・こども食堂

8/30『LATURE × こども食堂』室田拓人/ LATUREオーナーシェフ フォトレポート

夏休みも終わり新学期がはじまりましたね。
青山のフレンチレストラン『LATURE』のみなさんにお越しいただき、本格フランス料理を体験しました。

今日作るのは、こちらの3品。
〜〜
●ローストビーフ きのこソテー添え
●海老のマセドワーヌサラダ
●とうもろこしの冷たいポタージュ
〜〜
コック帽をかぶったら、みんな一流のシェフ気分!!

みんなで分担してそれぞれのお料理をつくっていきます。
おうちではなかなか作れない手間のかかるお料理を、ひとつひとつ丁寧に教えていただきながら仕上げていきます。
自家製のマヨネーズやとうもろこしを裏ごししたポタージュなどなど、やったことのない工程がたくさんありました。
かたまりの大きなお肉もどんどん切っていきましょう!エビの皮もたくさん剥きました。

先生の手元をよくみて優しく教えて頂きながら同じように進めていきます。
それぞれに作ったお料理を盛り付けていくと、、 、自分でつくったと思えないような、とても素敵なフランス料理ができあがりました!

LATUREさんがつくってきてくれた、プリンとふかふかのパンを添えたら、
みんなそろって『いただきます!』 口に入れた瞬間「おいしい~!」と、自然に笑顔がこぼれていましたね。

LATUREのシェフたちとテーブルを囲み、質問もたくさんして話に花が咲いていました。
今日のこと、たくさんお話しできたかな?

はじめてつくった本格フランス料理は、 夏休み最後のとってもおいしい思い出となりました。
LATUREのみなさん、素敵な体験をありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/09/02|フリープログラム

日本の郷土ごはん vol.5『大阪:かしわのすき焼き』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第5弾は大阪府です。
お盆最終日の8月16日、たくさんの元気な笑顔が景丘に集い、おいしい時間を過ごしました。

関西地方では鶏肉のことを「かしわ」と呼びます。今日のメニューはその「かしわ」を使ったすき焼きと、明治から大正にかけて大阪の商業中心地としてにぎわった問屋街で生まれた「船場汁」です。

まずはみんなで具材切りから始めます。
船場汁に入れる大根や、すき焼きに入れるお豆腐、椎茸などなど…。
包丁の使い方に気をつけながら頑張りました。
小さい子たちは白菜の葉を手でちぎってくれましたね。

具材が用意できたら、いくつものフライパンにわけて一気にかしわを焼きましょう。
同時に、船場汁の大きな鍋にも大根と鯖を入れてグツグツ煮ていきます。

こどもたちが見守るフライパンからは、かしわが焼ける香ばしい匂いがしてきました。プチプチはねる油だって、気にしない気にしない!!

お肉に焼き色がついたらほかの具材もきれいに並べていきましょう。
割り下を注いだら、具材それぞれを丁寧に煮ていきます。
どの具材にも味がしっかりしみ込むよう、お豆腐もひとつひとつ裏返して。。。

さぁ、かまどのご飯も炊きあがりましたよ!
みんなそろっていただきます!!

夏休みの今日はデザートにかき氷も用意しました。
梅のシロップをかけて、さっぱりひんやりおいしかったね。

おいしく楽しい夏の夜がにぎやかに過ぎていきました。

“みんなでつくって、みんなで食べる”
今月も「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/08/18|景丘の家・こども食堂

日本の郷土ごはん vol.4『静岡:鯖の箱寿司』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第4弾は静岡県です。
夏休み目前、今日も元気いっぱいのこどもたちと楽しい時間を過ごしました。

おいしい魚がとれる伊豆地域などを中心に、祭りや行事などのハレの日に作られる「箱寿司」。
木箱に酢飯を詰め、地元産の鯖(地域によってはアジや金目鯛)の身をほぐしたそぼろ(地元では「おぼろ」)、にんじん、しいたけ、桜えびなどの具材をのせた郷土料理です。

鯖は茹でてから皮と骨を除き、身をほぐし、砂糖と醤油で炒ってそぼろ状にしていきます。
魚を手でさわって調理するなんて普段はなかなか経験しないこどもたち、興味津々でチャレンジ。
つまみ食いしたいのをガマンしながら、おいしい味付けに仕上げました。
ほかの具材もみんなで手分けして、ていねいに切りそろえていきますよ。

そしてクライマックスは、ごはんや具材を木箱に詰める工程。
お酢のいい香りに包まれながら、酢飯をギュッギュ。その上にはさっき作った鯖のおぼろ、甘じょっぱく煮付けたしいたけ、酢れんこん、桜えび、にんじん、絹さや、かまぼこ、薄焼き卵をのせました。

彩りもきれいで、本当においしそう!
こどもも大人も「わーっ!」と思わず歓声をあげてしまう仕上がりです。

豆腐とわかめのお味噌汁も添えて、いただきま~す。
おいしくきれいに作れてよかったね!

最後に少しだけ歴史のお勉強を。
この箱寿司は、鎌倉時代に日蓮聖人が伊豆に流罪になった際、聖人をかくまった漁師が朝夕の食事を井桁の重箱で運んだことが由来といわれています。
日蓮聖人の命を救った善行はのちに広く伝わり、祭りなどの席でふるまう郷土料理として定着したのだそうです。

2023/07/20|景丘の家・こども食堂

日本の郷土ごはん vol.3『長崎:鼻はじき』 フォトレポート

【日本の郷土ごはんシリーズ】第三弾は、長崎県。メニューは諫早市の郷土料理「鼻はじき」と「鶏飯」です。

個性的なネーミングの「鼻はじき」。1枚の皿に野菜やお肉などを放射状に並べ、からし酢味噌をつけていただく料理で、そのからしが「鼻をツンとはじく」ことから、このユニークな名前が付きました。
元々は法事の精進料理だったといいますが、現代では鶏肉やエビなども使った「普段のおかず」としても人気。長崎の特産である鯨肉が入ることもあるそうです。

今日のこども食堂で使ったのは、ささみ、エビ、厚揚げ、こんにゃく、にんじん、きゅうり、いんげん。それぞれを茹でたり、切ったり。包丁や手を使って、ひとつずつ丁寧に、みんなで楽しく作りました。

真ん中に切れ込みを入れたこんにゃくを「くるりとねじる工程が楽しかった」という子。
ささみを手でちぎるのが面白くて、「やってるうちに早く食べたくなった!という子。
いつもは野菜をあまり食べられないけど、「今日は食べてみる」という子。
自分の手を動かすと、いつも以上に食欲がわいてくるよね!

鼻がツン!とはじかれるほどのからしは、大人のお楽しみ。
諫早市では給食で「鼻はじき」が出ることもあり、からしの量を減らしてこどもが食べやすいようにしているそうです。今日も、からしあり・なしのタレを2種類用意して、こどもも大人もおいしく食卓を囲みました。
おうちで作るときには、みなさんも各家庭の「おいしい味付け」や「好みの具材」で楽しんでみてください。

もうひとつの「鶏飯」は、醤油で濃いめに味付けた鶏肉を炊きたてごはんに混ぜたもの。
昔は正月や盆などに、自宅で育てた鶏を男衆がさばいて作っていたそうで、材料は米と鶏のみ。ごぼうやにんじん、干ししいたけ、凍り豆腐などを入れて凝った鶏飯にするのもありですが、今日はシンプルに鶏だけで。
その分、鶏の旨味がしっかり味わえて、笑顔満開・おかわり続出のおいしさでした!

汁物として添えたのは、ささみを茹でた残り湯を活用したお豆腐と卵のスープ。簡単ですがとてもおいしいので、こちらもぜひ試してみてくださいね。

“みんなでつくって、みんなで食べる”
いろりを囲んで食べるできたてごはんは、おいしい思い出をいっぱい作ってくれました。
今月も「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力でこども食堂を開催できましたこと、心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/06/22|景丘の家・こども食堂