おしらせ

『秋の自然の標本きゃんどる』川手茜/蝋燭作家 フォトレポート

今回は蝋作家の川手茜さんをお呼びして、自然の素材を使った標本キャンドルづくりのワークショップを開催しました。

「作り方通りにしてもいい、しなくてもいい。これをキャンドルに入れたい、こんな形にしたい、自分がこうしたいな、という気持ちを大切にして作ってください」
普段は沖縄で暮らしている川手さん。自然体を大切にする川手さんの温かな言葉かけからワークショップが始まっていきました。

机の上には、参加者のみんさんが事前に集めてきてくださった葉っぱや木の実、石ころなどがいっぱい。
「これは、大切な化石なんだ!」と標本にするのを心待ちにしている子もいました。

まずは、透明でぷにぷにとした蝋を手でちぎっていきます。
ちぎるって気持ちがよい。心なしか蝋をちぎる作業を終えて少しずつみなさんの表情が柔らかくなっていくのを感じました。

ちぎった蝋をマグカップに入れ、温めて液状にしたら透明のカップに注いでいきます。
すこし固まったタイミングで素材を一つ一つ丁寧にキャンドルの中に入れていきます。
「このどんぐりを入れたい」 「この貝を真ん中に置きたい!」
お気に入りの素材を2つだけ選んで入れる子もいれば、透明な蝋に石や木の実が沈んでいく様子が楽しくて入れたいものが増えていく子も。段々と、個性のあるオリジナルのキャンドルになっていきます。

その後は、キャンドルの芯を入れて、残りの蝋を流し込んだら、キャンドルが固まるのを待つ時間。
子供達が持ってきてくれたかわいい素材達に心ときめいた先生が、素材の交換会をしようと提案。
先生が沖縄で拾ってきた貝殻や小石や木の実とみんなが拾ってきたものを交換し合う様子は、なんとも微笑ましく豊かな時間でした。待っている間にはキャンドルを持ち帰るためのラッピング作りもしました。

固まったキャンドルは、カップから取り出して、すきな形にハサミで切っていきます。
切り終わったら、仕上げは先生に。
バーナーで炙って切った角をなめらかにしたら、宝石のような標本キャンドルの完成です。

完成したキャンドルは、十人十色。
それぞれのお気に入りの素材をそのまま標本のように閉じ込めた素敵作品になりました。


未就学のお子さん達には、少しつくるのが難しかったかな?
お母さんやお父さん、おばあちゃんと協力してできた、世界にひとつだけのキャンドル。
お家に飾ったり、家族で一緒に火を灯したりしながら、
自然の中にいるような、ゆったりとした時間を過ごしていただけたら嬉しいです。

2024/11/24|アートスクール

日本の郷土ごはん vol.20『埼玉:ゼリーフライ』フォトレポート

伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分でおいしくいただく「景丘の家こども食堂」。
今回は埼玉県の「ゼリーフライ」「かて飯」「呉汁」をつくりました。

「ゼリーフライ」は、埼玉県行田市の名物。小判のような形から「銭フライ」と呼ばれていたものが、やがて銭→ゼリーに変化したと言われています。じゃがいもをおからや野菜と混ぜ、形を整えて揚げてからソースをからめます。お肉を使わないのにボリュームがあり、こどもも大好きな味です。

「かて飯」は農村で生まれた郷土料理。元々は、お米が貴重だった時代に野菜や雑穀を混ぜてかさ増しした「節約ご飯」だったそう。今回のこども食堂では、炊きたてご飯に人参、大根、油揚げなどを混ぜこみ、ボリュームたっぷりに仕上げました

「呉汁(ごじる)」は、すりつぶした大豆(=呉)を加えた、なんだか懐かしくなるような優しい味わいが特徴です。季節の野菜もたくさん入るので、栄養満点ですね!

こどもたちは今日も大忙し。人参、大根、椎茸、油揚げなどを、教わった通りの形に包丁で切ったり、ゼリーフライをひとつずつ「銭」の形になるように両手で整えたり、お鍋の中で野菜をグツグツ煮込んだり。各工程で“自分の成長”や“新しい発見”を楽しみながら、作業を進めていきました。

さぁ、かまどのご飯も炊きあがりました。かて飯の具材を混ぜ込んだら、みんなで配膳。そして、湯気の立つできたて料理を前に、元気に「いただきます!」。
今日の料理はお肉を使っていませんが、大人もこどもも大満足の美味しさ。たくさんの笑顔と「おいしい!」に出会うことができました。

“みんなでつくって、みんなで食べる。”
「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力で今月も楽しくこども食堂を開催することができました。心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/11/24|景丘の家・こども食堂

スタイリング講座 『今日、ハンカチにアイロンをかけてみよう』池田尚輝/スタイリスト フォトレポート

冬の訪れを感じる肌寒い季節、家で過ごす時間が増える時期。
アイロンがけをテーマにしたスタイリング講座のワークショップを開催しました。

今回は、スタイリストの池田尚輝さんを講師に迎え、
ハンカチとワイシャツのアイロンがけを教えていただきました。
大人の男性を対象にしたワークショップということで、普段の景丘の家とは少し異なる雰囲気、
とても貴重で新鮮な時間でした。

参加者は、普段からアイロンがけをしている方から、少し苦手意識を持っている方までさまざま。
少人数で丁寧にサポートしていただきながら、参加者それぞれが自分のペースで進めることができ、和やかな雰囲気の中で講座が進んでいきました。

まず取り組んだのはハンカチ。シンプルに見えるアイロンがけですが、ピシッと仕上げるためにはコツが必要。アイロンの動かし方やスチームの使い方を学びながら、ハンカチの四隅を丁寧に整えていきます。普段使うものが綺麗に整うことは気持ちが良いと、みなさん真剣な表情でアイロン掛けをしている姿が印象的でした。

次に挑戦したのは、ワイシャツのアイロンがけ。シワが付きやすい襟元や肩のライン、ボタン周りを重点的にアイロンをかけていきます。途中、参加者の方から使っているアイロンの種類や、普段苦手な部分へのアイロンの当て方を先生に質問する場面もあり、和気あいあいとした雰囲気に。また、池田さんからは、普段使っているアイロンやスタイリングに使う道具の紹介、洋服のメンテナンス方法についても具体的に教えていただき、参加者の皆さんにとっても参考になったようでした。

「アイロン掛けをすることで、服を整えると同時に自分の心も整えられることに気づいた」

「普段身につけるものを気持ち良い状態に保つことの大切さを実感した」

「日常的な作業が、より意味のあるものとして感じられるようになった」

アイロンがけのテクニックだけでなく、その過程を通じて得られる心の変化にも気づくことができたようです。約2時間のワークショップが終わる頃には、皆さんがアイロンをかけ終えたハンカチやワイシャツが並び、みなさんの表情も穏やかになっているように感じました。

日常のちょっとした作業でも、丁寧に向き合うことで、暮らしがより豊かに感じられる瞬間。
参加者の皆さんが、自宅でのアイロン掛けをより自信を持って楽しんでいただけたら嬉しいです。

 

2024/11/17|アートスクール

『切る/並べる/綴じる 小さい本を作ろう』常田泰由/版画家 フォトレポート

版画家の常田さんをお招きして、小さい本を作るワークショップを開催しました。
本を作るにはたくさんの工程があります。今日1日で全部体験してみましょう。

内容を作る。(絵を描く)
 ↓
順番やレイアウトを決める(編集)
 ↓
本を綴じる(製本)

まずはみんなに数枚絵を描いてもらい、小さな正方形にバラバラに。
小さくカットすることで一枚だった絵が、全く違う見え方になり新しい絵へと生まれ変わりました。

これらを2枚ずつ組み合わせ、本のレイアウトを考えていきます。
色の合わせ、構図、、。なんとなくこれとこれが合うかな。などなどたくさんのことを巡らせます。
お友達と絵を交換してもOK。

今日は自分で本を作った子がほとんど。
少し手こずりながらもみんな綺麗に製本できました。

さっきまで自分で描いた絵が、すっかり違う形の作品に。
この世に一つしかない、手のひらサイズの自分だけの本が完成です。

たくさんの工程を経て、
ほんの少し手を加えることで、見え方や、感じ方がすっかり変わってしまうことを体験しました。

出来上がった本は、上からまた絵を描いても、コラージュをしてもいいですね。
ぜひ、今日のことを時々思い出して開いてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/11/17|アートスクール

『大きなチューリップを作ろう!』渡邉紘子/造形作家 フォトレポート

今日つくるのは大きな大きな紙のチューリップ!手に持ったら、まるで自分が小人になったみたい!?

「今日この会に参加できるみんなはラッキーボーイとラッキーガールだね!」
先生の掛け声のもと、わくわくムードでワークショップがスタートしました。

材料は、薄くて透けるようなグラシン紙と、竹ひごのような細い木の棒。前者がお花と葉っぱ、後者が茎の部分になります。それらを塗る画材として、絵の具やクレヨン、ポスカ、油性ペン、丸型シールに加え、可愛らしいパステルカラー5色のスプレーも用意されました。

「みんなは、お花や葉っぱを何でどんな色に塗る?」

チューリップを絵に描こうとすれば、同じような色をつかって同じような絵ができあがりそうですが、大きな紙という創作フィールドを前にすると、こどもたちは好きな色を使って、湧きあがるままに自由に手を動かしていくから不思議です。普段、絵が苦手だという子ものびのびと創作できたそう。

ピンクや紫の夕空みたいなグラデーションに塗る子、金銀のシールを貼ってその上から絵の具を塗り重ねる子、手形をつける子、カラフルな水玉を絵の具やクレヨンで描く子など、ほんとうに個性豊か。大きな紙をぜんぶ赤色に塗ろうと最後まで頑張った子もいました。

色をつけたら、花になる紙の両端を筒状にとめ、緑色に塗った紙をチョキチョキ葉っぱの形切り、色を塗っておいた木の棒にフローラルテープ(伸縮性のあるマスキングテープのようなもの)を使ってそれらをくっつけたらチューリップの完成!

あちこちで色とりどり・いろんな柄のチューリップが生まれて、まるで夢の国のよう。

みんな嬉しそうに自分が作ったチューリップを手に駆け回ります。

最後は外に出て、本物の植物に覆われた壁の前で撮影会。

ちょうど世間はハロウィン。
みんなは大きなお花を持って、妖精?小人?何に変身するのかな?

 

2024/11/02|アートスクール