おしらせ

日本の郷土ごはん vol.18『鳥取:いただき』フォトレポート

伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分でおいしくいただく「景丘の家こども食堂」。
今回は鳥取県の「いただき」「呉和え(ごあえ)」「いわし団子」をつくりました。

「いただきます」という食前の挨拶は、食材の命を頂くことや食事を作ってくれた人への感謝を込めた、日本ならではの言葉です。
今回の「いただき」は、まさにそんな気持ちを表したような郷土料理。まだお米が貴重だった時代、「もらう」という言葉ではなく「いただく」という感謝の気持ちがそのまま定着したという説があるそうです。この夏、日本でもお米のありがたさを改めて実感したので、「いただき」への想いもひとしおです!

こどもたちは、まず「いただき」の中に入れる人参と干し椎茸を細かく刻みます。それを生米と混ぜて、開いた油揚げの中にぎゅっぎゅと詰めていきます。油揚げを初めて調理する子も多く、ワイワイ賑やかな手しごとになりました。
だし汁でじっくり炊きあげたら、なんとも良い香りがしてきます。

次は「呉和え」です。枝豆をすり鉢でペースト状にし、茄子とみょうが、味噌、砂糖、だし汁を加えて混ぜ合わせたら出来上がり。
夏に食べたい野菜が一度に全部楽しめますね!!

そして今日の汁ものは「いわし団子」。国内有数のいわし水揚げ量を誇る鳥取県ならではの郷土料理です。
いわしは頭と内臓だけ取り除き、骨ごと叩いて使うので、栄養満点。
両手で丁寧に丸めたら、出し汁の中にどんどん入れていきましょう!!
どれもこれもおいしくて、夏の疲れが出やすいこの時期に元気になれるお料理ばかり。

なんと今日は夏らしく、かき氷のデザートも楽しみました。
たくさんの笑顔と「おいしい!」の言葉に出会えた景丘の家こども食堂。

みんなでつくって、みんなで食べる。
「大地を守る会」をはじめ、たくさんの方々のご協力で今月も楽しくこども食堂を開催することができました。
心より感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/09/27|景丘の家・こども食堂

『稲わらで筆づくり』東明美/わら筆作家 フォトレポート

わたしたちの日常に欠かせないお米。
その稲わらを使って、みんなで筆をつくりました。

稲わらのさやのような稈(かん)から一本のわらを引き抜くと、
まっすくで細くて美しい、ミゴと呼ばれる穂首が出てきます。

丁寧な手つきで30本ほど引き抜くと、美しいミゴの束ができました。

できあがったミゴの束は紐でくくります。
講師の東先生のまわりに集まり、みんなで解けにくい紐の結び方を教わりました。

仕上げに、筆先に水をつけてしっとりとさせてから木槌でたたきます。
コツは、まわしながらたたくこと。
小さな子もがんばってトントンと木槌を振り下ろして、
大人はさすが。音がドンドンと部屋中に響きます。

たたいた後は、筆先を両手ではさんで揉み上げます。
チクチクとしていた筆先がやわらかくなるまで繰り返すと、
硬く乾いて広がっていた筆先が、
ふんわりやわらかく、よく見る筆の形になりました。

実際に文字を書いてみると、
力強い文字が書けたり、繊細な文字が書けたり。
筆先の仕上がり具合によって、書いた文字には個性が宿っていました。

うっとりとするほど美しい、田んぼがある風景。
田んぼがわたしたちにもたらしてくれるものは、お米だけではありません。

みなさんが暮らしている街の中にも、
稲わらでできた、わら細工があるかもしれません。
ぜひ探してみてくださいね。

2024/09/22|アートスクール

『庭仕事の愉しみ』山口陽介/庭師 フォトレポート

 

毎年恒例のアートスクール「庭仕事の愉しみ」。なんと「今年で3回目です。楽しくて!」とおっしゃる方もいて、こうして一緒に植栽のお手入れをして、その成長の様を共有できることに喜びを感じながらのスタートとなりました。

庭師の山口陽介さんに、まずは剪定の基本を教えていただきます。「枝をよく見たら、5年前、3年前、1年前に生えた枝かがわかる。」

5年前、景丘の家の開館に合わせて植栽をしていただき、この5年の成長過程を見守ってくださっている山口さん。「剪定する場所がどういう場所になってほしいか。光がほしいとか、影がほしいとか、まずはイメージすることが大切。」と教えてくださいました。

「木にとって嫌な切り方をすると、木は反発する。良い切り方をすると、枝は無理に伸びない。」と、山口さんの経験値から語られる言葉は、とても温かく、木をよく見て、触って、対話をしながら接していることが伝わります。

ハサミやのこぎりの使い方も習い、いざ実践。自分の背丈より2倍以上はあるはしごにも、躊躇なく登りたがるこども達。臆することなく、剪定をしていきます。

通り道に向かって伸びていた太い枝は、のこぎりを使って切り落とします。

顔を真っ赤にして、最後のひと切りを終えた子のやり遂げた顔。

「6回もはしごに登ったよ!」と自慢げな顔。

自分で剪定した枝を持ち帰る、うれしそうな顔。

植物に触れたこども達からはいろいろな表情が見られました。

みんなでお手入れした景丘の家の小径は、優しい光が差し込み、気持ちのいい風が通り抜けています。

 

2024/09/07|アートスクール

『LATURE × MONICA × 景丘の家 こども食堂』室田拓人/LATUREオーナーシェフ フォトレポート

今年も開催しました!夏休みの特別企画、LATUREによるこども食堂。
LATUREの思いを詰め込んだ素材にこだわったパン屋さん「MONICA」も加わり、昨年とはひと味ちがったこども食堂になりました。

●鹿ブーレットのヴォロヴァン
●シーフードタブレのトマトファルシ
●ジャガイモと生ハムのヴィシソワーズ
●クレープオムレット ベリーソース

どの料理も家庭ではなかなか登場しない本格的なものばかり。
さあ、コック帽をかぶったら、メニューごと、3チームに分かれてお料理をはじめましょう!!

目の前にはたくさんの食材たち。なんと40人分です。
各テーブルにLATUREのスタッフさんがついてくださり、一つ一つ丁寧に作業を進めていきます。
どれもこれも初めての工程にみんな真剣なまなざし。
手元をよく見て同じように手を動かし、戸惑いながらも繰り返し進めることで段々とコツを掴んでいくこどもシェフ達。
鹿肉をつかったミートボールは挽肉から。トロッとしたクリームソースに合わせたらサクサクのパイに乗せていきます。
トマトを器に見立てたファシルはエビやホタテもふんだんに使ってクスクスと共にトマトにたくさん詰めました。
デザート用にクレープも1枚1枚焼きます。

お料理が次々と出来あがり、目にも美味しくなるように最後までこだわって盛り付け。
MONIKAのパンも添えたら、完成!!

初めてのフランス料理は、デザートまで作ってとびっきりのコース料理となりました。
みんな揃って「いただきます!!」

パクッ。一口食べると、自然にみんなの顔がほころびます。美味しいね。
一緒に作って一緒に食べた、はじめましてのおともだちとも、みんなすっかり打ち解けて、夏休みに美味しくて楽しい特別なひとときを過ごしました。
LATUREのみなさん、今年もとても素敵な機会をありがとうございました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024/09/03|景丘の家・こども食堂

『きらきら輝く ガラスのお皿を作ってみよう!』高橋美彩希/ガラス造形作家 フォトレポート

机の上に並べられた、きらきらの小さなガラスたち。
青、黄色、オレンジ、紫、白。
小さい四角形や、細長い長方形、丸いつぶつぶ。

「どんなデザインのお皿にしようかな?」
絵を描くようにガラスのかけらを並べます。

気に入ったガラスをひとつつまんで置いてみます。
もうひとつ。もうひとつ。
なんだか違うな、と思ったらやり直して、自分の好きなデザインを探っていきます。
みんなの表情は真剣。
黙々と、頭の中に思い描いているデザインを形作っていく様は、まるで職人のようです。

並べる作業が終えた人は、ガラスのカットも体験してみました。
「ガラスを切る」。ピンと来ないですよね。
今回用意していただいた小さなガラスのかけらもすべて先生がカットしてきてくださったもの。
カッターで切れ込みを入れて、ガラス切りプラニッパーという道具でガラスを折ります。
簡単にこなす先生のあとに実際に体験してみると、切れ込みが甘くて歪に割れてしまったりして、綺麗に切るにはコツがいるようです。
ほかにもガラスをザクザク切れる、ザクザクという道具も使ってみたりと、なかなか体験できないことにもチャレンジさせてもらいました。

「できたー!」という歓声とともに生まれた愛らしいガラスの絵画たち。
本当の完成は、先生が持ち帰って、ガラスフュージング電気炉で焼き上げてから!
並べた時は板状だったガラスが750℃もの高温で熔け、隣り合うガラス同士がくっついて、形や色が変わっていきます。
さて、みなさんの作品はどのような仕上がりになるでしょう?
わくわく想像しながら、完成を楽しみに待っていてくださいね。

2024/08/29|アートスクール