おしらせ

東野翠れん 写真展開催のお知らせ

景丘の家で、東京都写真美術館主催 恵比寿映像祭2026の地域連携プログラムとして、写真家の東野翠れんさんの写真展を開催いたします。この機会にぜひ足をお運びください。

 

東野翠れん 写真展
景と光 in light

<展覧会実施概要>
写真が窓のように並び、さまざまな景色を楽しめる空間になったら
「景と光」というタイトルは、景丘の家の「景」から一字をとりました。
風景や光景を連想し、場所の名前と写真が響き合うように感じています。
2021年の写真集『花、音、光』に加え、その後撮りためた写真も展示します。

<開催場所>
景丘の家1F

<開催日程>
2月6日(金)〜2月22日(日)
火〜水11:00〜19:00 木〜金11:00〜21:00 土10:00〜21:00 日祝10:00〜18:00

2/8(日)、および毎週月曜は施設の休館日となりますのでご注意ください。

*販売はありません

 

<恵比寿映像祭概要>
恵比寿映像祭は、2009年(平成21年)の第1回開催以来、年に一度恵比寿の地で、展示、上映、ライヴ・パフォーマンス、トーク・セッションなどを複合的に行ってきた映像とアートの国際フェスティヴァルです。映像分野における創造活動の活性化と、映像表現やメディアの発展をいかに育み、継承していくかという課題について広く共有する場となることを目指してきました。近年では、地域とのつながりや国際的なネットワークを強化し、一層の充実と発展をはかっています。

恵比寿映像祭2026
あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight

<会期>
2026年2月6日(金)~2月23日(月・祝)
(2月9日[月]および2月16日[月]は休館)
<会場>
東京都写真美術館、恵比寿ガーデンプレイス各所、地域連携各所ほか

2026/01/24|その他

『パレスチナのおやつクナーファを作ろう ~そのクナーファはだれのものか~』山田柊/クナーファ屋 店主 フォトレポート

夜のアートスクールにて、パレスチナ・シリアで親しまれている伝統的なおやつ
「クナーファ」をつくるワークショップを開催しました。

講師は、クナーファ屋店主の山田柊さん。
学生時代からアラブ地域の紛争や難民問題に関心を寄せ、関わり続ける方法としてクナーファ屋を始めた山田さんは、お店を営む中で生まれてきた問いを大切にしながら活動されています。

今回は、ただ作って食べるだけではなく、山田さんがお店を営む中で考える「消費」というテーマを持ち寄り、みんなで対話を通して考える時間となりました。

はじまりは、いろりを囲んでの自己紹介。
「今日呼ばれたい名前」とその理由を一人ずつ共有していきます。
ニックネームや、普段はあまり呼ばれない名前。
その人らしさや今の気持ちが自然と表れていて、はじめまして同士の緊張も少しずつほどけていきました。

続いて、「消費」について、みんなで問いを出す時間。
時間の消費、ものの消費、心を満たすための消費。
「自分にはどのくらいのものが必要なんだろう」
「なぜ消費には、どこかネガティブなイメージがあるんだろう」
日常の中でふと感じていた小さな違和感が言葉になり、身近なテーマからいくつもの問いが立ち上がっていきました。

話してもいいし、話さなくてもいい。
自分の言葉を大切にすること、人の話をしっかり聞くことをルールに置いた対話の時間。
はじめての対話でしたが安心して参加できたという声もありました。

一旦それぞれの問いを横に置き、キッチンへ移動してクナーファづくりへ。
小麦粉でできたサクサクの生地に油を混ぜ、たっぷりのチーズを敷き詰めていきます。
「これは何からできているんですか?」
「現地ではどんなふうに食べられているんですか?」
手を動かしながら、自然と質問や会話が生まれていきました。

大きな鉄板ひとつを囲み、みんなで同じ作業をする時間は、不思議と人と人との距離を縮めていきます。
鉄板にきれいに敷き詰められたクナーファはいろりへ。
山田さんが丁寧に焼き上げていく間、再び輪になって対話の時間です。

問いのテーマは、参加者みんなで選んだ「自分の時間の消費について」。
仕事や家事、自分が豊かだと感じる時間。
私たちは日々、何に時間を使って、どう感じているのだろうか。
20代から60代まで、それぞれの人生のタイミングや背景によって、
「消費」の捉え方の違いがあるのも印象的でした。

どんなふうにものや時間と関わっていきたいのか。
自分が取り入れていくものについて、さらに問いが生まれた時間になったように感じました。

クナーファの焼き上がりとともに、対話の時間はいったん終了。
こんがりと焼けた表面にシロップをかけて切り分けると、
中のチーズがのびる!
はじめて食べる食感と、どこか親しみのある味に、
みなさんから笑顔が見えました。

食べながらも、感想を伝え合ったり、さきほどの問いにもう一度立ち返ったり。
食べることと考えることが、ゆるやかにつながる豊かな時間でした。

自分と消費との関係について、すっきりする答えが出なかった方もいるかもしれません。
「わからない」で終わらせるのではなく、わからないなりに話し、知ろうとすること。
誰かと話すことで逆にモヤモヤすることがあるかもしれませんが、
そのモヤモヤが思考の広がりをつくってくれるのかもしれません。

対話とクナーファが静かに交差したこの時間が、
参加者のみなさんの日常を、ほんの少し違う角度から見つめ直すきっかけになっていたら嬉しいです。

 

2026/01/24|アートスクール

日本の郷土ごはん vol.34 『香川:もっそうめし』 フォトレポート

伝統的な郷土料理をみんなでつくり、各地を旅する気分でおいしくいただく「景丘の家 こども食堂」。
今月は香川県の郷土料理「もっそうめし」「まんばのけんちゃん」「さわさわ」をつくりました。

「もっそうめし」は、木製の型(物相/もっそう)に寿司飯や五目飯を詰めて抜いたもの。修行僧の精進料理がルーツで、一膳のごはんで全てを済ませるために考案されたとも言われます。今回は湯飲みを使って円柱型に抜いてみました。

「まんばのけんちゃん」は本来「まんば」という高菜の一種を使いますが、今回は東京でも手に入りやすい小松菜で代用します。煮干しや豆腐、油揚げなど栄養満点の食材を醤油で和えたシンプルな料理ですが、素材の旨みが感じられる副菜です。

「さわさわ」は細長く切ったこんにゃくが主役の、とろみのある汁もの。さらさら流し込める食感が訛って、この名になったとか。とろみの正体は片栗粉ではなく、すりおろしたさつまいも。仕上げにおろし生姜やねぎも添えて、冬にぴったりの一品に仕上げます。

こどもたちはまず包丁で油揚げや小松菜、にんじん、こんにゃくなの材料を切る作業からスタート。全員分なのでまるでお店のような量! でもみんな「やったー!いっぱい切れる」「どんどん上手になるよ!」とやる気満々です。

続いて、「もっそうめし」の具材を煮たり、「まんばのけんちゃん」をフライパンで炒めたり。具だくさんの「さわさわ」もじっくりと煮込んでいきました。「火を使う作業は初めて」という子も多く、ちょっぴりドキドキしながらも楽しそうな笑顔が広がります。

先ほど煮含めた具材を炊きたてご飯にしっかり混ぜ込んだら、おいしそうな3品が完成です!

香川の素朴でやさしい味わいに、食卓は誇らしげな笑顔と「おかわり!」の声に包まれました。

みんなでつくって、みんなで食べる──
2026年もたくさんの郷土料理と出会いながら、こどもたちと一緒に豊かな時間を育んでいけたらと思います。
今回も「大地を守る会」をはじめ、多くの方々のご協力のもと、こども食堂を開催できたことに心より感謝申し上げます。

 

2026/01/23|景丘の家・こども食堂

『Kurogo Me version 1.9+Kurogo Me, Together! + Commodify Me! 〜黒衣をよくみてみんなで話そう!〜』芦澤いずみ/アーティスト・演出家・パフォーマー フォトレポート

みなさんは「黒衣」を知っていますか?
「黒子」の方が馴染みがあるかもしれませんが、元々は「黒衣(くろご)」といいます。

能や人形浄瑠璃で、観客からは見えないという暗黙のルールで登場する黒衣。
今回は、短い時間ながら参加者が黒衣との関わりを持つことで、
身近な社会、コミュニケーション、宗教文化など身の回りのものごとに対して、
観察と対話を通して、考察する時間となりました。

*今後「Kurogo Me version 1.9+Kurogo Me, Together! + Commodify Me!」にご参加予定の方は、ネタバレとなる部分があります。

会場では、白い衣装の芦澤さんが、歌舞伎の伝統的な動きをしています。
参加者が入場して席に着くとデジタルの映像で簡単な黒衣の説明があり、
続いて芦澤さんがノンバーバルで再び登場。

静かな会場。
止まっている芦澤さん。
顔を見合わせる参加者。
そして、ひとり、ひとりと、黒衣の衣装を芦澤さんに着せていきます。

黒衣になった芦澤さんの短い即興のパフォーマンスの後、
よく見ると、黒衣の衣装はあと2着。
顔を見合わせつつも2人の参加者が前へ。
そして2人を他の参加者が少しずつ黒衣に変えていきます。

3人の黒衣のパフォーマンスが終わると。
スクリーンには3つの問いが出ました。

What did you see? – 何をみましたか?
What did you experience? – 何を体験しましたか?
How did you interpret? – どう解釈しましたか?

今回の講座は、小学生から50代までの幅広い世代の方が参加してくださり、
後半の対話では、様々な言葉が飛び交いました。

自分はこうだと思ったことが、相手にはそう見えていないこと。
どのような背景や立場かによって全く違った経験となること。
社会生活の中での「見えないもの」「見ないようにしているもの」への思考。
そして、ルールや規則の成り立ちについて。

参加者さんからは
・衣装を着せる行為は、一見すると一方的でありながら、そこにコミュニケーションを感じる瞬間があった。
・黒衣の匿名性から、SNSやネット上のやりとりについて考えた。
・なぜ、そこにいるのにいないと感じるのか。行動と意識と認識の関係性について考えた。
などの感想がありました。

お互いの気づきや発見、思考の深まりにつながり、対話はとても盛り上がりました。

伝統的な「黒衣」という存在を媒体とし、色々な思考が見えたワークショップ。
終了後も、そこここで対話が続いていたことも印象的でした。

 

2026/01/22|アートスクール