おしらせ

『霜降の頃・ぐるりのにわのお花で菊玉をつくろう 』風間理紗/室礼研究家・ガーデンティーチャー フォトレポート

景丘の家のエディブルガーデンクラス「ぐるりのにわ」の秋の回。エディブルガーデンとは、野菜やハーブなど、食べられる植物を主として植えた庭のことです。

講師は、室礼研究家でありガーデンティーチャーの風間理紗さん。今回は、季節の節目「重陽の節句」にちなんで、ぐるりのにわで育った菊の花を使い“菊玉”をつくりました。この日のために、前回のぐるりのにわで「きれいな花を咲かせてね」と願いを込めて菊の苗を植えていました。

はじまりに、理紗さんとともにぐるりのにわの季節の巡りを振り返り。種まき、収穫や実り……それぞれの季節に庭と向き合い、みんなで重ねてきた時間を思い出しながら、今日を迎えました。

そして、菊玉づくり。みんなそれぞれ好きな菊の花を選び、鉢から切って、思い思いにオアシスへと刺していきます。
おなじ菊でも、選ぶ花や配置によってまったく違う表情の菊玉に仕上がりました。
どの作品も素敵で、その人らしさがにじむような菊玉になりました。

菊玉づくりのあとは、理紗さんが持ってきてくださった繭を使ったワーク。お湯で温めた繭を2人1組になって広げていきます。昔はこの繭で菊玉を包み、菊の香りを布に移して肌にあて、美容や健康を願ったそうです。
重陽の節句が、自然と人の美しさを重ねて祈る日であることを、実際の手仕事を通して感じる時間となりました。

最後は次の季節への準備。この日は、そら豆・菜の花・春菊の3種類を植えました。そら豆のまわりに春菊を植えると、香りの効果で虫がつきにくくなるそう。花が咲き、種が生まれ、また次の季節へ。
景丘のぐるりのにわが、めぐる時の中で、いのちがつながっていく場になってきています。

来年のぐるりのにわもお楽しみに。

 

2025/10/31|アートスクール

「ジュエリーワークショップ 〜”好き”をかたちにする時間〜 』浜崎飛優/ジュエリー作家 フォトレポート

今回は、ジュエリー作家の浜崎飛優さんをお迎えして、ジュエリーワークショップを行いました。

「ジュエリーはキラキラだけじゃない!」
ジュエリーというと、宝石やゴールド、シルバーなどキラキラしたイメージがあると思いますが、形、色、手ざわりなど、自分の好きを集めたものだって、ジュエリーなんです。今日は、そんないろいろな素材たちを楽しみながら、ネックレスを作りました。

まずは、浜崎さんからどのようにネックレスの形にしていくかを、ジュエリー作りの説明と合わせてしていただきました。お持ちいただいた素材たちは、さまざま。布、木の板、ビーズ、チェーン、針金、ストロー、そして魚の形の醤油差し!などなど。みんなで素材を囲みながら、ああだこうだ自分の好きを形にしようと考えを巡らせます。

最初から手を動かしていく子や、まずはスケッチでアイデアを考える子、とそれぞれ。この日は、親子で参加される方もいらして、楽しくおしゃべりをしながら手を動かしたり、あれこれアイデアを練ってみたり。いろいろな形のジュエリーが少しずつ見えてきました。木の板に大好きな絵を描いてみたり、アクリル板を好きな形に切ってもらったり。浜崎さんはみんなのアイデアを形にしていってくれます。接着、紐に通すなども、浜崎さんの手にかかると見事な加工に。また、それがアクセントになってジュエリー感が出てきます。

こどもたちに負けじと、お母さんはビーズを素敵に繋げたり、布を端切れにして撚り合わせてみたり。アイデアも、制作する手も、みなずっと止まりませんでした。お見事!おしゃべりをしたり、お互いに相談をしてみたり、仲良く作品を作られていました。時にはこうして、親子でものづくりも楽しい時間ですよね。

温かみのあるもの、繊細なもの、可愛らしいもの、いろいろなジュエリーがあちこちに出来上がりました。

完成したジュエリーを鏡の前で身につけるみんなの笑顔!最高でした。自分の好きを身につけるのは嬉しいですよね。キラキラしたジュエリーではなく、“好き”を身につけることも立派な自己主張であり、ファッションなんですね。今日参加してくれたみなさんがこれからそんな価値観を持ってもらえたら嬉しいです。

2025/10/31|アートスクール

「布でつくるコミュニケーションゲーム 〜心の声に耳を傾ける時間〜」澁木智宏/美術家 フォトレポート

2回目となる夜の開催、大人の方向けのアートスクール。
今回は、美術家の澁木智宏さんをお招きして、「布でつくるコミュニケーションゲーム」のワークショップを行いました。

ルールは、ペアで協力し、布の上に開いた小さな穴をボールを転がして埋めていくという、とてもシンプルなものです。
ほかのゲームと違うのは、対話をすることではじめて完成すること。

まずは、メモに普段心の内にしまっているモヤモヤや「満たされない想い」を書き出します。
次に2人で会話をしながら、お互いの言葉を穴の周りに書き出していきます。
書かれるのは、「お腹が空いた」「もっと穏やかにすごしたい」、家族のことなどさまざま。
大切なのは相手のどんな言葉も否定せず、「なんでそう感じるの?」と掘り下げていくことだといいます。

ゆっくりとお互いに向き合ったあとは、
さまざまな素材を使って言葉のまわりに障害物を付け加えていきます。 

紐やフェルトを縫い付けて山や谷が生まれたり、
ボールが転がりやすくなるような道をつくったり。
お互いの心の世界が小さな布の上に広がりました。

最後は完成したゲームで遊ぶ時間。
とてもシンプルな仕組みながら、力加減や角度など、お互いの動きを微妙に感じ取りながら協力して進めることが必要です。

穴を埋めることができたモヤモヤは、いつか満たすことができるかもしれない。
そんなひそかな期待を込めて、
みなさん一喜一憂する姿が素敵でした。

普段自分の中で抱え込みがちなことも、
身近な誰かに打ち明けたり、
それすらもゲームに置き換えて面白がってみることで
ふっと気持ちが軽くなるかもしれません。

景丘の家は木~土曜日、21時まで開館しています。
読書をしたり、ゆっくり自分自身を振り返ったり。
色んな過ごし方で、ぜひお気軽にお越しくださいね。

2025/10/11|アートスクール

『トコトコ コマドリアニメ』竹内泰人/コマドリスト(コマ撮りアニメ作家) フォトレポート

「コマドリアニメ」とは、静止した画像を少しずつ動かして撮影し、あとでつなげることで動いているように見せるアニメーションの技法です。

今日作るのは『“トコトコ”コマドリアニメ』。
自分だけのペットをダンボールに描き、足が動くように2コマ作ります。
さらに、飼い主である“自分”も一緒に写って、トコトコ歩いているような動画を作りました。

はじめに竹内泰人さんが、自身の作品をいくつか紹介。
日常の小さな動きや、身近なものが生き生きと動き出す映像に、子どもたちはすぐに引き込まれていました。

その後は、「こんな子いたらいいな」と思い思いの生き物を描いていきます。
絵が描けたら、足が動くように2コマ目も。
少しずつ“動く”準備が整っていく過程も楽しそうです。

いよいよ撮影スタート。
今回は、みんなでひとつの作品をつくることに挑戦しました。
初めて会う参加者同士でしたが、それぞれに役割を分担し、協力しながら撮影を進めていきます。
竹内さんの軽やかなリードもあって、自然とチームワークが生まれました。

笑い声と「もうちょっと左!」「そのままで!」という声が響くなか、少しずつ作品が完成していきます。
コマ撮りならではの時間の積み重ねが、想像もしない動きを生み、
空想の生き物が確かに動いていました。

その不思議で嬉しい感覚を、子どもたちは確かに味わっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025/10/09|アートスクール

「庭仕事の愉しみ」山口陽介/庭師 フォトレポート

ようやく秋の風を感じるようになった9月末。
景丘の家の庭を作ってくださった庭師の山口陽介さんに、今年も植物のことや剪定の仕方について教えていただきました。

こどもたちの目の前に並ぶのは、剪定の練習用に使う枝の数々。
もみじ、いちじく、どんぐりなど、景丘の家の庭にはさまざまな木が植えられていて、その特徴は食べられるものが多いこと。

「これは“ニッケイ”という葉っぱで、手でもむといい匂いがするんだよ」と、まずはどんな植物があるか、みんなでさわって匂って観察です。

竹は細く切って箸にしてみたり、どんぐりはコマになったり、種でプロペラ遊びができたりと、こどもも大人も興味津々。

剪定で大切なのは「手のひらの形をイメージして切っていくこと」。
ハサミの使い方に慣れてきたところで、庭へ行っていよいよ実践!

はしごが怖い子はできる範囲で、より高いところを切りたい子ははしごに登って剪定に挑戦です。
開館以来、大きく育ったすももの木も、太い枝をのこぎりで切っていきます。
今年の初夏には実がたくさんなって、自然の恵みをみんなで味わいました。

「切るのがかわいそうと思うかもしれないけど、切ることでその木が生かされる」という山口さんの言葉どおり、切ったあとは下の葉っぱにも光が当たり、気持ちのいい風が通るようになりました。

来年も実りの多い庭になりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025/10/05|アートスクール